こんばんわやよいです
今日は日本最大の無差別化学テロ事件「地下鉄サリン事件」を紹介します
地下鉄サリン事件

1995年3月20日午前8時頃、東京都の地下鉄構内で神経中毒剤「サリン」が散布され、駅員乗客14人が死亡、負傷者約6300人をだした戦後最大の無差別テロです
当時の地下鉄は月曜日の出勤ラッシュ時間帯であったこともあり大勢の負傷者を出しました
事件の首謀者は当時活動していた宗教団体「オウム真理教」の教祖「麻原彰晃」こと「松本智津夫元死刑囚」
それではなぜ宗教団体であるオウムが地下鉄で無差別テロを起こしたのか解説していきたいと思います
オウム真理教とは

オウム真理教は、1987年超能力の獲得を目指すヨガ教室として麻原が開いたヨガサークル「オウムの会」(のちに「オウム神仙の会」)が1989年、宗教法人「オウム真理教」となったもの
教祖の麻原彰晃はヒンドゥー教の「破壊神シヴァ」あるいはチベット密教の怒りの神「マハーカーラ」の化身と名乗り、自分は最終解脱により空中浮遊を行える日本唯一の超能力者であり、修行すれば誰でも超能力を得ることができると説き、信者を獲得していった
事件当時の1995年には信者数は約15,400人にも上った
サリンとは

1938年にドイツで開発された神経毒で化学物質としての正式名称は「イソプロピルメタンフルオロホスホネート」
無色無臭の液体で非常に毒性が強く、呼吸器系だけでなく皮膚からも吸収され、縮瞳、嘔吐、呼吸困難等の症状に加え、重症化すると失禁、意識混濁、心肺停止、全身痙攣などを起こして死亡する
皮膚からも吸収されることから防毒マスクだけでなく、全身防護服を着用しなければ防ぐことができないそうです
警察にマークされる教団

オウムは1994年から1995年の間に数多くの凶悪事件を起こします
- 当時オウム真理教被害者の会を組織していた坂本堤弁護士一家殺人事件
- 長野県松本市で土地取得を巡る裁判の延長と実験を兼ねたサリンによるテロ事件(松本サリン事件)
- 数々の拉致・監禁事件
- オウムと敵対していた人物に対して猛毒VXを使用したVX襲撃事件
数々の凶悪事件を起こしたオウムは警察にマークされるようになります
地下鉄サリン事件の目的
1995年2月、東京都内で発生した公証人役場事務長逮捕監禁致死事件にてオウム信者の指紋が発見されたことから警察はオウムの全施設に強制捜査を実施することになります
強制捜査を察知したオウムは施設への強制捜査を遅らせるため、信者を実行役とし、通勤ラッシュで満員であった電車内でサリンを入れた袋に穴を開けサリンを散布したのです
事件後の強制捜査
強制捜査を遅らせる目的で地下鉄サリン事件を起こしましたが、捜査が延期されることはなく事件の二日後の1995年3月22日、山梨県上九一色村を中心とした教団本部施設に強制捜査が入ります
施設からはサリンを製造する機器等の化学兵器製造設備、細菌兵器設備、散布用のヘリコプター、更に衰弱した信者等が見つかり教団の異常な実態が明らかになりました
強制捜査以降次々と教団幹部が逮捕されました
教祖の麻原彰晃については1995年5月16日、さらなる警察の捜索により、上九一色村にある教団施設の第6サティアンと呼ばれる施設の隠し部屋で潜んでいるところを発見逮捕されました
教団のその後

オウム真理教は地下鉄サリン事件以降、今までの事件の容疑者として幹部が次々と逮捕され、全盛期の勢いはなくなりましたが、宗教活動は辞めることはありませんでした
一連の事件について教団は「教団を行った証拠がない」などとし、被害者や遺族等に謝罪することもありませんでした
この教団の姿勢に社会からは強い反発を受け「無差別大量殺人を行った団体の規制に関する法律」が制定
1999年9月に「オウム真理教休眠宣言」、12月1日に「正式会見」を開き、一連の事件について認めた
オウム真理教の現在
2000年2月4日、教団はオウム真理教の名前の使用を禁止されていたことから名称を「アレフ」とした
更に2003年に「アーレフ」、2008年に現在の名称である「Aleph」(アレフ)となりました
Alephには二つの派閥が存在し、
- 旧オウムから脱却し事件を再発させないと主張する「上祐派」
- 麻原への帰依と打ち出し、旧オウムの教義を守ろうとする「主流派」
となっており、2007年には上祐派がAlephから脱会し新団体「ひかりの輪」を発足させる
ひかりの輪は、麻原からの脱却を主張していますが2010年の公安調査庁によると麻原の教えに依拠している(脱麻原ができていない)ことが報告されています
まとめ
戦後最大の無差別テロ事件であるオウム真理教の地下鉄サリン事件ですが、事件の記憶が薄い青年層をターゲットとした教団への勧誘活動が続けられていることから公安調査庁は警戒を続けているそうです
この悲惨な事件が再び起きないように後世に語り継いでいく必要があると私は思います
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